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今月の巻頭言

2020年05月号 月初の言葉 歴史は有事が繰り返されている 【DailyReport巻頭言 第116回】

社会福祉法人愛あい会、 小規模多機能型居宅介護事業所ハートフル成田東様

今月の表紙:社会福祉法人愛あい会|小規模多機能型居宅介護事業所ハートフル成田東様

今、世界は新型コロナウィルス問題で大変な状況です。
しかし人類は感染症と紀元前という昔から戦ってきた歴史があります。
そして克服してきた歴史があるはずです。

そこで今回は危機における管理に関することについて述べたいと思います。

日本という長い歴史を持つ国において最初に読まれたとわれる書籍は何だかわかりますか。
それは実は「論語」なのです。

論語は孔子(紀元前552年~479年)行を記録したものです。
(「論」には論議、「語」には答述という意味があります)。

論語は西暦285年に百済の博士王仁(わに)によって日本に伝えられました。
日本最古の書は712年の「古事記」ですが、論語が読まれたのはそれをさかのぼること400年以上前のことだった、
ということになります。

よって日本人が手にした最初の書物であり、1700年以上の長きにわたり読み継がれたものとなるのです。
そこには、今と同じように危機の際に求められる考え方がいくつも記されています。

過ちては則ち改むるに憚ること勿れ
(『論語』學而)

(現代語訳)
人はだれでもあやまちをおかさないものはありません。
問題はあやまちを改めるかどうかです。

つまらない人は自分の過ちを弁解し飾ろうとしますが、
すぐれた人はすぐに改め一つのあやまちを一つの貴重な経験とします。

日本の官においても民においても大きな組織は平時に強くできているように思います。
だから安定しているときは抜群に良い動きができます。

しかし、緊急時にはどうしても一歩も二歩も遅れることになります。
あやまちをかくす、認めない、という特徴もあるかもしれません。
「恥」という概念の強い国民性はこのような時にも弱さを露呈するようです。

政を為すに徳を以ってすれば、たとえば北辰の其の所に居て、衆星の之れに共うが如し
(『論語』為政)

(現代語訳)
政治は法律や規則のみに従って行うものではなく、徳をもってすべきです。
そうすれば、不動の北極星に群星が向かい従うように、人民はその徳をしたって、
その為政者についていくでしょう。

さて、今の現代社会ではどうでしょうか。
法律や規則の議論ばかりが先行し、本来あるべき民衆の生活に焦点が当てられているでしょうか。
「徳」とは何なのか、我々は今一度定義する必要があるのでは、と思います。

義を見て為さざるは勇なきなり
(『論語』為政)

(現代語訳)
こうするのが、あるいはこういうのが人間として正しい道だと知りながら自分の利益のため、
または保身のために、あえてそうしない、それを私は勇気がないものとおう。

人の己を知らざるを患(うれ)えず、という葉もあります。
他人が自分のことを認めてくれないからといってくよくよと思い煩っていてはいけない、
ということです。

政治であれば、経営であれ、今は誰もがどこもが緊急事態です。
だからこそ、2000年以上の昔から伝承されてきたこれらの内容を振り返ることは
大変有効な意思決定の際の糧となると思うのです。

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